離婚問題
離婚問題について

ここ数年にわたり婚姻率は減少する一方で、離婚率は未だに増加傾向にあります。
結婚離れの要因として女性が社会で活躍するようになったことにより、仕事で日々の充実感が増したことで結婚に対するメリットや魅力をあまり感じなくなっているようです。
一方男性が結婚に前向きでなくなった理由としては、結婚で一生責任を負わなければいけなくなること。
自分の時間を楽しみたい、自分の稼いだお金で好きなことをしたい。結婚をすることで制約を受けたくない。
などが挙げられます。

一方離婚の理由としては
- 第1位は⇒性格の不一致(夫・妻ともに)
- 第2位は⇒親族との不和(夫)、夫の暴力(妻)
- 第3位は⇒妻の浮気(夫)、夫の浮気(妻)
- 第4位は⇒異常な性格(夫)、生活費を渡さない(妻)
- 第5位は⇒同居に応じない(夫)、精神的虐待(妻)
- 第6位は⇒浪費(夫)、浪費(妻)
- 第7位は⇒性的不適合(夫)、家族を省みない(妻)
- 第8位は⇒精神的虐待(夫)、親族との不和(妻)
- 第9位は⇒家族を省みない(夫)、お酒のトラブル(妻)
- 第10位は⇒お酒のトラブル(夫)、異常な性格(妻)
のようになっています。
離婚の理由は男女ともに「性格の不一致」が1位で性格が合わないことを理由に離婚をしています。
元々は他人同士、生まれや育ちも違い、自分には無い相手の良い部分や共感できる面を見て結婚したのにも関わらず、離婚を考える段階になるにつれて相手の嫌な部分の比重が大きくなり、一緒に生活することさえ苦痛に思えてくるようなケースが多くあります。
昨今、離婚自体が珍しいことではなくなり有名人、著名人など誰も知る人物の離婚のニュースが当たり前のように報道されていること、身近な知人や友人などが当たり前のように離婚をするようになったことで、離婚への気持ちのハードルが低くなっているのではないるみたいです。
自分の家族は大丈夫、うちは離婚などする筈はないと他人事のように思っていた離婚話がいきなりパートナーから切り出されるかもしれません。離婚を考えるにはそれなりの理由があり、それを切り出すにはそれなりの覚悟があってことです。
もしパートナーから離婚をほのめかす話が出た場合、相手の話を聞かずに頭ごなしに怒鳴ってしまったり、相手にしないような態度をとってしまわず、相手の話を冷静に聞き入れる時間を取って話し合う事が大切です。
同様に日頃からパートナーからの不平や不満話にもなるべく耳を傾けることで、離婚自体を回避できる可能性もあります。
離婚の話合いの際にどちらかが感情的になりすぎたり、相手が暴力を振るうなどで当事者同士が冷静に話合いすることが難しいような状況の場合、相手との話合いを早く終わらせたい気持ちから安易に同調してしまうと、うっかり自分に不利な条件で相手の要求に合意してしまうことがありますので、もしお互いが冷静に話し合うができないような場合は、弁護士を代理人として立てることで、相手にあなたの離婚に対する考えや気持ちなどを伝えたうえで、離婚をする際の諸条件(財産分与や親権、養育費他)などについて相手と対等な立場で交渉をすることにより後々後悔しない条件で離婚をすることが大切です。
離婚と同時に考える必要がある問題
離婚を考える場合、パートナーと決別すること以外にも様々なことを考える必要があります。例えば夫婦の共有財産がある場合は財産分与をどうするか、住宅ローンがある場合は離婚後の返済についても考慮しなければなりません。未成年の子どもがいる場合は、子の親権や養育費についても考えなくてはいけません。そして離婚をすることにより、子供が辛く悲しい思いをすることを忘れないで下さい。
離婚問題の弁護士への相談事例
- 離婚をしたいが相手が応じてくれない
- 離婚話を持出されたが離婚はしたくない
- 裁判所より離婚調停の通知が届いた
- 離婚届を勝手に提出されてしまった
- 子供の親権を取りたい
- 離婚後の子供との面会を確実にしたい
- 別居中に子供を勝手に連れて行かれた
- 約束した養育費を払ってくれない
- 別居期間中の生活費を払って貰いたい
- 養育費の支払いを確実してもらいたい
- 養育費の増額(減額)してもらいたい
- 財産の分配に納得ができない
- 配偶者の不貞行為をやめさせたい
- 配偶者の不貞相手から慰謝料を取りたい
- 不倫した夫から慰謝料を取りたい
- 不倫相手の配偶者から慰謝料請求された
- 離婚に際しての決め事を文書に残しておきたい
離婚問題の解決を弁護士に依頼するメリット
1.離婚後-取り返しのつかない失敗を防ぐ

当事者同士の話し合いで離婚についての取決めをする場合、お互いが感情的になってしまい、話し合いで冷静な判断が出来なくなってしまう場合があります。
離婚に限らず、その場の勢いだけで物事を決めてしまい、後で冷静になって考えてみたら失敗したという経験を持っている方も多いかと思います。
またお互いに一度同意しているにも関わらず、後で蒸し返されたり、財産や子の養育費などについての取決めを離婚協議書や公正証書にしていなかったためにお金を払ってもらえない、お互いの話し合いがついていないのに勝手に財産を処分されてしまったなど、悪い結果が出てから相談をいただいている方が多数を占めます。
残念ながらもっと早く相談に来られていればと思うようなケースが多いのが実情です。後で後悔やトラブルが起こらないよう万全な対処を施すには、弁護士に相談をすることをお勧めします。
2.離婚交渉-相手と交渉するストレスから解放される

離婚はスムーズに終わらせたい、誰もがそう思っているかと思います。
しかし離婚は相当なエネルギーが必要であり、ストレスも溜まります。
話がこじれて長引いた場合は、相当な労力と精神力を消耗します。
また相手と顔を合わせるのも嫌というくらい相手を嫌っていた場合には、話し合いをするだけでもストレスを感じるでしょう。
このストレスが日常生活に少なからず影響をもたらし、それがまたストレスになってしまうという悪循環にもなりかねません。
離婚の交渉を弁護士に任せることで、こういったストレスから解放され、新たな生活の準備を整えようという気持ちも生まれてくるでしょう。
離婚に伴う苦痛を少しでも和らげ、少しでも普通の日常生活を取り戻すことができるのも弁護士へ依頼するメリットであるといえます。
3.離婚交渉-少しでも自身に有利な解決が期待できる

離婚の交渉で弁護士を付けることは、相手側から一方的に不利な内容で交渉をされることを防ぐだけではなく、相手の状況やケースによっては有利な結果を得られる可能性も多くあります。
離婚問題のケース
離婚について弁護士が代理人として交渉をする場合
離婚調停や離婚訴訟に至らない段階、すなわち裁判外であっても、弁護士が介入して依頼主の代理人として協議離婚交渉を引き受けることができます。具体的には、離婚は、まず夫婦間での話し合いから始まるのが一般的ですが、配偶者との話し合いが難しい状況の場合は、まず相手に対して離婚の意思を伝えると同時に離婚の話し合いを申し入れるため、弁護士があなたに代わり離婚協議の申し入れをします。
そして、配偶者との話し合いがまとまり、離婚に関しての条件が双方で同意できれば離婚届を提出して完了します。また離婚や離婚後についての条件や取決めをする場合には、離婚協議書または離婚公正証書を作成します。交渉を求めても相手から連絡がなかった場合や交渉自体が決裂した場合には、離婚調停の申立てを検討することになります。
あなたの承諾なく相手が勝手に離婚届を提出した場合

離婚届に夫婦それぞれの署名・捺印がなされて不備や問題点がなく役所に提出され受理されると離婚が成立します。協議離婚が有効に成立するためには,離婚届の時に夫婦双方に離婚する意思があることが必要です。
しかし夫婦の一方が相手の意思を無視して勝手に離婚届を提出してしまった場合、役所は内容に時に不備が無い限り受領をするのが現状です(離婚届が提出される可能性が事前に分かっている場合には、不受理申出制度を利用すれば回避が可能です)。
一旦提出された離婚届は、たとえ相手が勝手に出したものであっても簡単には元に戻りません。協議離婚の記載のある戸籍を訂正するためには、協議離婚無効確認調停を申立てる必要があります。
なお、相手が勝手に離婚届にあなたの署名をして提出してしまえば、立派な犯罪です(有印私文書偽造、同行使等)。刑事責任を追及することを検討する必要があります。
裁判所から離婚調停の通知が届いた場合

夫婦どちらかの一方が家庭裁判所に対し、離婚調停の申立てを行うと、家庭裁判所から事件番号と共に第1回目の調停期日の日時を知らせる調停期日通知書が届きます。
離婚調停では、離婚を前提とする場合と離婚を拒否する場合のいずれかの方針を定めて話し合いを進めることになります。
裁判所から離婚訴訟の訴状が届いた場合

夫婦どちかの一方が家庭裁判所に対し、離婚訴訟を提起すると、家庭裁判所から「口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状」という書面とともに訴状が届きます。
離婚調停と違い、訴訟は当事者で進めることは困難なため弁護士に依頼をすることを検討します。訴訟の場合、答弁書の提出もせず、口頭弁論期日にも出頭しないと、相手の主張が全面的に認められてしまいかねませんので、必ず、対応するように心掛けて下さい。
離婚時に多いトラブル
親権の問題

離婚にあたり、夫婦に未成年の子どもがいる場合、父母のいずれを親権者とするか定める必要があります(離婚届に記載する欄があります)。
当事者が離婚自体に合意していても、親権者をどちらにするか合意できなければ、離婚はできませんので、最終的には 裁判で争うことになります。親権者を決めるにあたっては、今までの養育の経緯・経済状況・子の意思などが考慮されます。
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養育費の問題

子どもを養育しない側が、子どもを養育する側に支払う、子どもの養育に必要な費用のことです。子どもが成人するまで、もしくは、大学を卒業する22歳まで支払うと定めることが一般的です。
裁判所では、養育費の金額を、子どもに実際にかかる必要な費用を一つ一つ積み上げて計算するのではなく、養育する側としない側の経済状態・扶養の人数によって計算しています。東京家庭裁判所では、 HPで算定表を公開しています。
なお、裁判外での解決を図る場合は、養育費は長期にわたる問題ですので、支払われなくなった場合に備えて、公正証書を作成しておきます。
一度決めた養育費は、後日、経済状況の大きな変化・再婚や養子縁組などの扶養状況の変化によって、計算の根拠に変動が起こった場合には、変更できます。当事者同士の話し合いで決まらなければ、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。
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財産分与の問題

婚姻中に夫婦が築いた財産を清算することです。婚姻中に増加した財産を2分の1ずつ分けることが原則です。婚姻生活で築いた財産が対象ですので、婚姻前の財産や婚姻中であっても相続により得た財産は含まれません。
財産分与でしばしば問題となるのは、自宅不動産の処分です。売却して、その利益を2分の1ずつ分けるのであれば簡明ですが、実際には、夫婦どちらかが居住を続けるケースが多く、また、住宅ローンが残っていることも多いため、その調整は困難です。さらに、不動産を譲渡する場合には、税金面の考慮も必要です。
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慰謝料の問題

一方の不貞行為や暴力などによって婚姻が破たんし、離婚に至った場合に、原因を作 った側から相手方に支払われる金銭です。離婚に至った経緯、婚姻期間、当事者の経済状況などを考慮します。なお、不貞行為により離婚に至った場合、不貞の相手方に対して、慰謝料を請求することも可能です。
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年金分割
離婚した場合に、厚生年金記録があること等の一定の条件に該当したとき、当事者の一方からの請求により、婚姻期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)を当事者間で分割することができる制度です。
年金分割には、いわゆる専業主婦の方が元夫の婚姻期間中の厚生年金記録の2分の1を当然に分割してもらえる3号分割と、当事者間で合意した割合によって厚生年金記録を分割する合意分割の2種類があります。
離婚後、年金分割の手続を忘れて2年経過すると、年金分割の請求権が消滅時効にかかってしまうのでこの点には注意しなければなりません。