離婚-協議離婚
協議離婚
協議離婚とは
夫婦お互いの合意で離婚をするのが協議離婚です。
お互いの話合いの上で離婚届を提出すれば離婚成立となるのですが、未成年4の子がいる場合は親権や養育費、財産分与、面接交渉(子供を引き取れなかった一方の親が定期的に子供と会う権利)などの取決めをしておくようにします。
特に親権を決めていない場合は離婚届は受理されません。また離婚はお互い合意しているが、面接交渉、養育費や財産分与、慰謝料などが決まらない場合には、すぐに離婚届を出さず、家庭裁判所に調停を申立ます。
全ての内容にお互いの話合いで合意ができた場合は、そのまま離婚届を出せば良いのですが、離婚そのもの以外の合意事項は口約束だけでは、後々言った言わないのトラブルになる可能性がありますので、離婚協議書などの文書に残しておくようにします。
なかなか進まない離婚協議の上手なすすめ方
1.とにかく離婚したい!で即断しないこと
離婚協議にあたっては、当事者の感情のもつれから、「多少不利な条件でもいいからとにかく離婚してしまいたい」と離婚届だけ出してしまうようなことが散見されます。
いざ離婚後に冷静になれる期間になってから財産分与や損害賠償請求等を行おうとしても、その交渉はなかなかうまく進まないことが多いです。
離婚はとにかく離婚ありきではなく、総合的に片付けなければならない事だということを考えなければなりません。
簡単に相談だけでも弁護士としておくに越したことはないです。第三者の指摘は、往々にして、当事者に別の視点を提供することがあり、後悔を減らす手助けになるはずです。
2.協議事項を紙に書き出してみる
協議離婚にあたって決めなければいけない様々な事項があるのですが、それをいつでも整理整頓された形で主張できるようにできれば紙に書き出しておきましょう。
財産分与対象財産(債務も入ります。)はどうするのか、自宅はどうするのか、慰謝料はどうするのか、子供がいる場合には親権をどうするか、養育費の支払い額、面会交流の方法など、項目別に書き出してみましょう。
3.譲れるものと譲れないものを決めよう
協議離婚はあくまで話し合いによって解決を図る離婚です。一歩も譲りたくないというのであれば、話は前に進まないでしょう。離婚調停を申し立てても一緒です。一歩も譲らないということであれば、訴訟に向かって行動を起こすべきとなりますが、ご自身の希望通りの結論になるかどうかは、大いに疑問です。早期に解決したいのであれば、やはり譲れるものと譲れないものは、はっきり峻別して、問題にあたる姿勢がよろしいではないでしょうか。
たとえば、子の親権や養育費の額にこだわりがあるのであれば、慰謝料はある程度譲歩する…。相手方が子との面会交流を望んでいるのであれば、柔軟に対応する。といったような事など、譲る部分は譲って自己に有利な条件をうまく勝ち取りましょう。
《まとめ》
なかなかすんなり進まない協議離婚のスムーズなすすめ方・姿勢について、簡単にお伝えさせていただきました。
離婚にあたって決めなければいけない事項は多岐にわたり、財産分与や慰謝料がどの程度なのかということを見積もることも大変なことです。
協議離婚を検討している場合は、当事務所のように協議離婚交渉を数多く取り扱っている事務所にアドバイスを求めていただければ、幸いです。
相手が勝手に離婚届を出してしまった場合
協議離婚は双方の離婚の意思があることが必要で、一方が離婚の意思がなかったり、離婚の意思はあるものの、離婚そのもの以外の決めごとが解決していないため、すぐに離婚届を出す意志が無いのにも関わらず、一方が勝手に離婚届を提出してしまった場合には、家庭裁判所に離婚無効の調停を申立てます。 調停では、自身が離婚をする意思がなかった事を証明し、相手も合意すれば離婚が無効であると審判が下され、離婚を無効にできますが、相手が合意しない場合には訴訟を起こすことになります。
離婚届は一度受理されてしまうと取消すのが難しいため、もし相手が勝手に離婚届を退出してしまう恐れがある場合には、あらかじめ役所に離婚届の不受理申出をしておくことで役所は離婚届を受理しなくなります。
離婚協議書
離婚協議書は離婚を決める際にお互いで合意した離婚そのもの以外の内容を文書化し、離婚後にトラブルとなった場合に決めた協議事項を双方で確認できるようにしたものです。
相手が離婚協議書の協議事項を守らない場合
離婚協議書には法的拘束力はないため、相手が離婚協議書の協議事項を守らなかった場合には、相手に対し協議事項の内容を履行するように請求します。
特に多いのが養育費や慰謝料、財産分与など金銭に関するトラブルで、相手が失業などで支払えない状態の場合は双方で話合いをして支払時期などを改めて決める必要があります。
それ以外の場合には、まずは内容証明などを利用して請求を行うようにします。
内容証明も強制力は無いため、相手に対しプレッシャーを与え履行をして貰えることを期待します。
また相手が内容証明を無視をした場合でも、後に調停や訴訟になった時には、離婚協議書と合わせて証拠となります。
離婚公正証書
離婚協議書はあくまでもお互いの協議内容の合意書で強制力がありませんので、一方が協議内容について履行をしなかった場合には様々な手続(内容証明、調停、訴訟等)を行う必要とする可能性があり、その結果解決までにはかなりの手間と費用が掛かる可能性があります。
そこで離婚協議書の内容を公正証書にすることにより法的拘束力を持たせることが可能で、仮に相手がその内容を守らなかった場合には、調停や裁判などを行わずとも強制執行などの強固な手段に出ることも可能となります。
公正証書の作成に必要な物
- 離婚協議書など、公正証書の起案となる物
- 印鑑証明(3ヶ月以内に取得したもの)または運転免許証、パスポートなどの写真付きの公的証書
- 実印
- 戸籍謄本
- 財産分与の対象となる不動産などの登記簿や保険の証券、株券、預金通帳など
- 代理人に委任する場合は、委任状と代理人の印鑑証明
公正証書の作成手数料
公正証書の公証人の手数料は、財産分与や慰謝料などの金額と、養育費(分割の場合は10年分)の金額に応じて手数料が決まります。
例えば財産分与の対象額が1000万円の場合は23000円となります。(以下の表を参照)
(目的の価額) |
(手数料) |
100万円以下 |
5000円 |
100万円を超え200万円以下 |
7000円 |
200万円を超え500万円以下 |
11000円 |
500万円を超え1000万円以下 |
17000円 |
1000万円を超え3000万円以下 |
23000円 |
3000万円を超え5000万円以下 |
29000円 |
5000万円を超え1億円以下 |
4万3000円 |
1億円を超え3億円以下 |
4万3000円に5000万円までごとに1万3000円を加算 |
3億円を超え10億円以下 |
9万5000円に5000万円までごとに1万1000円を加算 |
10億円を超える場合 |
42万9000円に5000万円までごとに8000円を加算 |