Q&A相続親が亡くなり、相続が始まりました。まず何から手を付ければいいですか?まずは亡くなった方(被相続人)の「遺言書」があるかどうかを確認します。 遺言書がない場合は、誰が相続人になるかを確定するために、亡くなった方の出生から死亡までのすべての戸籍謄本を集める必要があります。 並行して、預貯金や不動産、借金などの「相続財産」がどれだけあるかを漏れなく調査する作業を進めます。相続人の中に、長年連絡が取れず行方不明の人がいます。その人を除いて話し合いを進めてもいいですか?法律上、相続人全員が参加していない「遺産分割協議」はすべて無効になります。 そのため、行方不明の相続人を除外して遺産を分けることは絶対にできません。 対策として、まずは戸籍の附票などから現住所を調査し、それでも見つからない場合は、裁判所に「不在者財産管理人」の選任を申し立て、その管理人を交えて話し合いを行う必要があります。亡くなった親に多額の借金があることが分かりました。相続を拒否することはできますか?はい、「相続放棄(そうぞくほうき)」という手続きを行えば、借金などのマイナスの財産を引き継がずに済みます。 ただし、相続放棄は「自分が相続人になったことを知った時から3ヶ月以内」に、家庭裁判所へ申し立てをしなければなりません。 この期間を過ぎたり、親の預貯金を勝手に使ってしまったりすると、借金も含めてすべて相続することを認めた(単純承認)とみなされるため注意が必要です。遺言書を見つけましたが、封がされています。今すぐ開けて中身を確認してもいいですか?絶対にその場で開封してはいけません。自宅などで見つかった封印のある遺言書を勝手に開封すると、5万円以下の過料(ペナルティ)が科される場合があります。 遺言書を見つけたら、まずは家庭裁判所に「検認(けんにん)」の申し立てを行い、裁判官や他の相続人の立ち会いのもとで開封しなければなりません。 ただし、公証役場で作成された「公正証書遺言」や、法務局に保管されていた遺言書については、検認の手続きは不要です。親の介護を1人で長年続けてきました。他の兄弟より多く遺産をもらう権利はありますか?無償で親の介護や看病を行い、親の財産の維持や増加に特別な貢献をしたと認められる場合、「寄与分(きよぶん)」として遺産を多く受け取れる可能性があります。 ただし、寄与分が認められるには、単なる看病日記だけでなく、具体的な介護の記録や医師の診断書など客観的な証拠が必要です。 兄弟間の話し合いで合意が得られない場合は、家庭裁判所の調停などで主張していくことになります。遺言書に「すべての財産を愛人に譲る」と書かれていました。残された家族は1円ももらえないのですか?いいえ、配偶者や子供などの法定相続人には、遺言書の内容にかかわらず、最低限受け取れる遺産の取り分「遺留分(いりゅうぶん)」が法律で保障されています。 そのため、愛人に対して「遺留分侵害額請求(いりゅうぶんしんがいがくせいきゅう)」を行うことで、お金を取り戻すことができます。 ただし、この請求権は「遺言の内容を知った時から1年以内」に行使しないと時効によって消滅してしまいます。「遺産分割協議書(いさんぶんかつきょうぎしょ)」とは何ですか?自分で作れますか?遺産分割協議書は、相続人全員で話し合って決めた「誰がどの遺産をどれだけ引き継ぐか」という合意内容をまとめた書類です。 ご自身で作成することも可能ですが、不動産の名義変更や銀行の口座解約の際に、不備があると手続きをやり直さなければならなくなります。 トラブルを避け、確実に手続きを進めるためには、実印の押印や印鑑証明書の添付に加え、内容を司法書士や弁護士などの専門家に確認してもらうのが確実です。親が亡くなる前に、特定の兄弟だけが家を建ててもらうなど多額の援助を受けていました。不公平ではないですか?生前に受けた特別な生計の援助や婚姻のための資金などは、「特別受益(とくべつじゅえき)」とみなされる可能性があります。 特別受益がある場合、その金額を一度遺産全体の額に「持ち戻し」て計算し直すため、生前にお金をもらっていた兄弟の相続分はその分減額されます。 これにより、相続人間での実質的な公平を図ることができますが、当時の送金記録や通帳の控えなどの証拠が必要です。相続税はどれくらいの財産があると発生しますか?全員が払う必要がありますか?相続税には「3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)」という基礎控除額があります。 例えば、相続人が子供2人の場合、基礎控除額は4,200万円となるため、遺産の総額がこれ以下であれば相続税は一切かからず、申告の必要もありません。 実際に相続税の課税対象となるケースは全体の1割程度ですが、小規模宅地等の特例などを利用する場合は、税金が出なくても申告が必要になることがあります。相続の手続きを弁護士に依頼するメリットは何ですか?最大のメリットは、相続人同士の感情的な対立や話し合いのストレスから解放され、公平かつ法的に正しい解決を目指せる点です。 親族間での遺産争いは一度こじれると長期化しやすいですが、弁護士が代理人として交渉することで、スムーズに調停や遺産分割をまとめることができます。 また、複雑な戸籍集めや財産調査などの面倒な事務手続きをすべて丸投げできる点も大きなメリットです。 相続ページに戻る