Q&A 刑事事件26.06.16Q&A刑事事件家族が突然警察に逮捕されてしまいました。まず何をすべきですか?すぐに刑事事件に強い弁護士(国選または当番弁護士、私選弁護士)に連絡してください。 逮捕後最大72時間は、たとえ家族であっても面会(接見)が禁止されることが一般的ですが、弁護士であれば制限なく面会できます。 弁護士を通じて本人の状況を確認し、取り調べに対するアドバイスを与えたり、早期釈放に向けた活動を開始することが最優先となります。警察から「参考人として事情聴取をしたい」と電話がありました。行く義務はありますか?「参考人」としての出頭要請は原則として任意(自由)であるため、法的な強制力はありません。 しかし、正当な理由なく拒否し続けると「逃亡や証拠隠滅の恐れがある」と判断され、逮捕状を請求されるリスクが高まる場合があります。 不安な場合は、事前に弁護士に相談し、同行を依頼するかアドバイスを受けてから出頭することをおすすめします。万引き(窃盗)をしてしまいました。被害者と示談すれば前科はつきませんか?早期に被害者へ謝罪し、示談(弁償と許しを得ること)が成立すれば、初犯の場合などは「起訴猶予(不起訴処分)」になる可能性が非常に高くなります。 不起訴処分になれば裁判は開かれないため、前科がつくことはありません。 ただし、示談が成立しても検察官の判断で略式起訴などになり、前科がつくケースもあるため油断は禁物です。知人にお金を貸したのに返してくれません。警察に言えば「詐欺罪」で逮捕してくれますか?単にお金を返さない(債務不履行)だけでは、民事上の問題となり警察は原則として介入できません(民事不介入の原則)。 詐欺罪が成立するには、お金を借りる時点で「最初から返す意思も能力もなかったのに、嘘をついて騙し取った」という証拠が必要です。 明らかな騙しの証拠がない限り、警察が刑事事件として立件するのは極めて難しいのが実情です。ネット上で他人の悪口を書き込んでしまいました。名誉毀損や侮辱罪で逮捕されますか?内容が個人の社会的評価を著しく下げるものであれば、名誉毀損罪や侮辱罪が成立する可能性があります。 書き込みの削除に応じず、悪質な誹謗中傷を繰り返しているようなケースでは、プロバイダへの発信者情報開示請求を経て警察に逮捕される事例も増えています。 トラブルに発展しそうな場合は、すぐに書き込みを削除し、弁護士を通じて被害者に謝罪・示談交渉を行うべきです。痴漢の冤罪(無実の罪)をかけられてしまいました。その場でどう対応すべきですか?絶対にやっていないのであれば、周囲の引き止めを振り切って逃走してはいけません(犯人と決めつけられる原因になります)。 また、その場での「認めれば帰れる」という言葉に騙されて安易に自白調書にサインをしてはいけません。 毅然として否認を続け、一刻も早く弁護士を呼ぶよう警察に要求し、当番弁護士などが到着するまで供述を拒否する権利(黙秘権)を行使してください。「国選弁護人」と「私選弁護人」は何が違うのですか?「私選弁護人」は、自身や家族が費用を支払って自由に選ぶ弁護士です。逮捕直後からいつでも依頼できます。 一方、「国選弁護人」は、経済的理由などで弁護士を雇えない人のために国が費用を負担して選任する弁護士です。 国選弁護人は自分で特定の弁護士を選ぶことができず、原則として「勾留(こうりゅう)」が決定した後にしかつきません。暴行事件を起こして逮捕された場合、会社や学校に知られてしまいますか?警察から会社や学校へ直接連絡が行くケースは、職務中の犯罪や公務員の犯罪などを除けばそれほど多くありません。 しかし、逮捕・勾留によって最大23日間にわたり身柄が拘束されるため、無断欠勤・欠席が続くことで結果的に周囲に発覚するリスクが非常に高くなります。 弁護士を通じて早期の身柄釈放(勾留阻止)や、職場への適切な言い訳の相談を行うことが重要です。前科がつくと、その後の人生にどのような影響がありますか?一定の職種(公務員、弁護士、医師、警備員など)の資格が制限されたり、失職したりする法的なペナルティがあります。 また、海外渡航(ビザの取得)が難しくなる場合がありますが、戸籍や住民票に前科が記載されることはありません。 ただし、警察や検察の内部データには生涯残り、再び罪を犯した際に重く処罰される理由になります。同棲相手から日常的にDV(暴力)を受けています。警察は動いてくれますか?配偶者や同棲相手からの暴力は、家庭内の問題ではなく「暴行罪」や「傷害罪」という立派な刑事事件です。 怪我の診断書や、暴力を振るわれた際の写真、音声録音などの証拠を持って警察署に相談すれば、被害届や告訴状を受理してもらえる可能性が高まります。 身の危険を感じる場合は、警察への相談と同時に、配偶者暴力相談支援センター等に避難シェルターの利用を相談してください。 刑事事件ページに戻るQ&A 男女トラブル・男女問題26.03.10Q&A男女トラブル・男女問題同棲していた交際相手と交際を解消しても相手が退去してくれません。まず、相手を説得するために話し合いを行い、相手が退去に同意した場合は、具体的な退去日などを文書に記録します。 相手が話し合いに応じず、退去にも応じない場合は、裁判所に対して建物明渡請求および建物使用料に相当する損害賠償の訴訟を提起します。裁判所の判決により退去命令が出された場合、判決で指定された退去期限までに退去してもらうことになりますが、それでもなお居座る場合は、裁判所に強制執行を申し立て、執行官に部屋の明渡しを促してもらいます。引き渡し期限までに退去しない場合は、強制執行日に強制的に退去をしてもらうことになります。マッチングアプリで知り合った男性から、嫌がらせや脅迫、誹謗中傷され仕事にも行けなくなりました。 相手の男性からの誹謗中傷や脅迫行為は刑事上の責任を負うべき行為です。 相手の現住所が分かっている場合は、内容証明で行為をやめるように警告を行い、更に今後一切接触しないよう伝え、行為をやめない場合には警察に被害届の提出をすることを伝えます。相手がこれに応じた場合には誓約書を提出させ、この行為の影響で仕事を辞めたり休業した場合には損害賠償として賠償金を請求します。同棲相手から勝手に私のクレジットカードを利用されていました。訴えることは可能でしょうか?同棲相手のクレジットカードの無断使用については、利用したカード会社に対する詐欺罪が成立する可能性があります。 カードを持ち去られ使用された場合、被害届を提出することにより、窃盗罪が成立する可能性があります。 カードを持ち逃げされた場合は、まず当該のクレジットカードの利用停止が先決となります。 ただし、被害の補填に関しては、同居による不正利用の場合ではカードの規約上、カード会社からの補償を受けることはできない可能性があります。この場合、まずカードの所有者が支払いを行った上で加害者本人へ返金を求めるのが一般的です。不正利用だからと支払いをせずにいると、逆にカード会社から訴訟を起こされる可能性があります。交際相手に何度もお金を貸したのですが、一度も返済してくれません。貸した金銭の請求は内容証明で行い、相手が応じない場合、民事裁判にて返還請求を行います。 金銭貸借の証拠として、借用書や金銭の貸し借りがあったとわかるメールやLINEのやり取りがあると良いでしょう。また相手への金銭の受け渡しの際に銀行振り込みを利用した場合、その履歴が残されているかなど、お金の貸し借りを行った証拠が残されていないことで相手がお金を借りたこと自体を否定できないようします。同棲相手とま同棲期間中に共同で購入した生活用品を相手が勝手に処分してしまいました。私の出した金額分を返済してもらいたいのですが。 同棲中に双方が出資して購入した財産はお互いの共有物ですので、特に決め事がなければお互いの持ち分は等分と推定されます。 相手の権利は2分の1しかないのにも関わらず、あなたの権利分を侵害して勝手に処分した場合は、相手が売却した額の半分は請求できる可能性があります。結婚前提に交際していた相手が別の異性と交際、別れを告げられました。交際期間中は生活費や物品の購入、家賃などで数百万円くらい使いました。慰謝料請求と出資したお金を返済して貰えますか?相手の男性と正式な婚約をしていた場合、婚約不履行で損害賠償請求が可能となります。 また、相手の男性に対して出資をした分についても同様で、婚約前提で出資していた場合は返金を求めることは可能です。ただし、実際は婚約として認められない場合はあなたの好意による出資とされ、返金はやはり難しいといえます。交際相手の子を妊娠しました。相手から中絶を要求されていますが、私は出産を望んでいます。彼は絶対認知しないと拒否されています。中絶を強要されねなど、妊娠後に女性に不利益を与えた場合は、不法行為による損害賠償を請求することが可能です。 認知を拒否された場合、認知調停や訴訟を提起することが可能です。 調停では、父親と子供の親子関係を証明するためにDNA鑑定を行うことが一般的です。 DNA鑑定を拒否された場合には、相手との性交渉から妊娠までの経緯やその後の相手の対応などを訴訟を通じて裁判所へ訴えることになります。婚約者の両親の反対で婚約破棄され、慰謝料の請求を検討しています。相手の両親に対して損害賠償請求を行うことは可能でしょうか?相手の両親の影響で婚約が破棄された場合、両親の反対理由に基づいて請求が可能な場合があります。 あなたと婚約者との間に経済的な格差や身分、民族に関する差別などがあった存在する場合、相手の親に対して請求することができるかもしれません。それ以外の理由で相手に正当な事由がない場合は、請求の対象は相手本人のみとなります。 ただし、あなた自身に浮気や借金などの問題が原因で相手の両親が結婚に反対している場合、損害賠償請求は認められません。未婚の状態で妊娠しました。生まれてくる子の養育費は請求できますか?相手の男性が子供を「認知」すれば、法律上の親子関係が発生するため、養育費を請求できるようになります。相手が任意で認知しない場合は、裁判所に「認知調停」や「認知裁判」を申し立てる必要があります。事実婚(内縁関係)を一方的に解消された場合、財産分与は請求できますか?請求可能です。法律婚をしていなくても、実態として共同生活を送る中で築いた財産であれば、離婚と同様に「財産分与」の対象となります。婚約を正当な理由なく一方的に破棄された場合、慰謝料は請求できますか?請求できます。ただし、単なる口約束ではなく、結納を交わした、親族への挨拶を済ませた、結婚式場を予約したなど、「客観的に婚約が成立していた事実」を証明する必要があります。既婚者であることを隠されて交際していました。騙されていたことに対して慰謝料は請求できますか?請求可能です。「独身である」と嘘をつかれて性的関係を持たされた場合、貞操権(性的自由)の侵害にあたるため、騙していた相手に対して慰謝料を請求することができます。交際中に「結婚式や新居の費用」として相手に貸したお金は、別れた後に返してもらえますか?原則として返還を求めることができます。ただし、「あげた(贈与)」のではなく「貸した(貸金)」であることを証明するために、LINEの履歴や銀行の振込明細などの証拠が重要になります。内縁の夫(妻)が浮気をした場合、法律婚の離婚と同じように慰謝料を請求できますか?請求可能です。最高裁判所の判例でも、事実婚(内縁)は法律婚に準ずる関係として保護されているため、不貞行為を行ったパートナーやその浮気相手に対して慰謝料を請求することができます。未婚のまま子供が出産した場合、親権は自動的にどうなりますか?原則として、出産した母親が自動的に単独親権者となります。父親が子供を認知しただけでは親権は移動しません。父親が親権を希望する場合は、父母間の話し合いや家庭裁判所の調停手続きが必要になります。同棲していた部屋を解消して出て行く際、引っ越し費用や中途解約の違約金を相手に請求できますか?原則として、相手に当然に請求できる法律上の権利はありません。ただし、同棲解消の原因が相手の浮気や暴力(DV)などにある場合は、それによって生じた損害(引っ越し費用など)を慰謝料の一部として請求できる余地はあります。認知してもらった子供の養育費は、いつまで遡って請求できますか?認知によって出生時に遡って親子関係が認められますが、養育費の支払い義務自体は、法律上「請求(意思表示)した時点」から発生するのが原則です。そのため、認知されたら速やかに養育費の金額について合意するか、調停を申し立てるべきです。別れた元交際相手から、付き合っていた頃にプレゼントしたバッグや貴金属を「返せ」と言われています。返す義務はありますか?返す義務はありません。交際中のプレゼントは法律上の「贈与」にあたり、引き渡した時点で所有権は完全にあなたに移っています。相手が勝手に持ち出したり、脅して取り返そうとしたりする場合は違法となります。 男女トラブルページに戻るQ&A 示談交渉26.06.16Q&A示談交渉刑事事件における「示談(じだん)」とは、具体的にどのようなことを行う手続きですか?示談とは、犯罪の被害者に対して犯した罪を深く謝罪し、発生させてしまった精神的・肉体的・金銭的な損害を賠償(示談金の支払い)することで、当事者間の民事上の賠償問題を和解・解決させる手続きです。刑事事件においては、単に損害を弁償するだけでなく、被害者から「加害者を許す(処罰を望まない)」という意思表示(宥恕条項)をもらうことが、その後の検察官の処分決定や裁判所の判決において非常に重要な意味を持ちます。加害者本人やその家族が、直接被害者のところに謝罪や示談交渉に行っても問題ありませんか?直接の接触は絶対に避けるべきです。多くの場合、被害者は加害者側に対して強い恐怖心や処罰感情を抱いており、直接の連絡はさらなる精神的苦痛を与え、感情をこじらせる原因になります。また、警察や検察もストーカー行為や証拠隠滅、被害者への威迫(脅迫)を警戒するため、加害者本人に被害者の連絡先を教えることはありません。安全かつ誠実に交渉を進めるためには、守秘義務を持つ弁護士を間に挟むことが必須条件となります。被害者の連絡先(氏名や電話番号)が分からない場合、弁護士なら教えてもらえるのですか?弁護士が間に入ることで、警察や検察を通じて被害者側に「弁護士になら連絡先を教えてもよいか」という確認を取ってもらうことができます。被害者側の同意が得られれば、弁護士限り(加害者本人には絶対に教えないという条件)で連絡先が開示され、示談交渉のテーブルにつくことが可能になります。加害者本人からのアプローチでは100%拒絶されるケースでも、弁護士が相手であれば話を聞いてみようと応じてくれる被害者は少なくありません。示談金(解決金)の金額に法的な相場や決まりはありますか?いくら払えばいいのでしょうか?示談金に法律上の明確な基準や上限はありません。基本的には当事者双方の合意によって決まるため、事件の悪質さ、被害の程度(怪我の有無や財産的損害の額)、被害者の処罰感情の強さ、加害者側の経済力などによって金額は大きく変動します。ただし、実務上は過去の同種事件のデータからある程度の「目安」は存在するため、弁護士は法律的な視点と被害者の感情に配慮しながら、不当に高額すぎず、かつ誠意が伝わる適正な金額を提示していきます。もし被害者が提示した示談金が高すぎて支払えない場合、交渉は決裂してしまうのでしょうか?金額の折り合いがつかない場合でも、すぐに諦める必要はありません。一括での支払いが難しい場合は、弁護士が加害者の反省の度合いや現在の経済状況(給与明細など)を誠実に説明し、確実な連帯保証人を立てた上での分割払いや、支払える限界の金額での妥協を被害者側に粘り強く交渉します。どうしても合意に至らない場合は、誠意の証として「贖罪寄付」を行ったり、被害者宛てに弁償金相当額を「供述」等の手続きで預けたりして、最大限の弁済努力をした事実を裁判所にアピールする方針に切り替えます。示談書に必ず盛り込むべき重要な項目や、文面の決まり(条項)はありますか?示談書には、事件を特定する文言、謝罪と示談金の額・支払い方法のほか、最も重要な「宥恕条項(加害者を許し、処罰を望まないという意思表示)」と「清算条項(今後、お互いに一切の追加請求や刑事告訴を行わないという合意)」を必ず盛り込む必要があります。これらの文言に不備があると、お金を支払ったにもかかわらず後から追加で慰謝料を請求されたり、刑事処分が軽くならなかったりする重大なリスクが生じるため、書面の作成は専門知識を持つ弁護士に任せるのが確実です。被害者と示談が成立した場合、すでに警察に逮捕されている身柄はすぐに釈放されますか?示談が成立すると、身柄が早期に釈放される可能性が極めて高くなります。示談によって「被害が事実上回復し、当事者間で和解が成立した」とみなされるため、検察官や裁判官は、これ以上本人の身柄を拘束して取り調べる必要性(逃亡や証拠隠滅の恐れ)が低くなったと判断しやすくなります。早ければ示談書を提出した当日、あるいは翌日には釈放され、以降は自宅から警察署に通う「在宅捜査」の形に切り替わることが一般的です。示談が成立すれば、裁判にならずに「前科」がつかない解決(不起訴処分)を目指せますか?初犯の事件や比較的軽微な犯罪(万引き、痴漢、傷害、器物損壊など)であれば、起訴される前に示談を成立させることで、検察官が「あえて裁判にかける必要はない」と判断し、起訴猶予による不起訴処分となる可能性が非常に高くなります。不起訴処分になれば裁判は開かれないため、前科がつくことは一切ありません。ただし、重大な犯罪や前科がある場合は、示談が成立しても起訴を免れないことがありますが、その場合でも執行猶予が付くなど判決が大幅に軽くなります。相手方(被害者)が頑なに拒否しており、示談交渉に応じてくれない場合はどうすればいいですか?被害者の処罰感情が非常に強く、弁護士からの連絡であっても拒絶されるケースは存在します。その場合は無理に交渉を迫るのではなく、まずは弁護士を通じて誠意を尽くした謝罪文(反省文)を受け取ってもらうことから始めます。それでも接触を拒まれる場合は、被害者の被害を少しでも回復させるために「供託(法律に基づき法務局にお金を預ける手続き)」を利用したり、公益団体への「贖罪寄付」を行うことで、加害者側にできる限りの反省と償いの姿勢があることを捜査機関や裁判所に書面で主張していきます。示談交渉の解決を弁護士に依頼した場合、どのような流れて手続きが進んでいくのでしょうか?ご依頼を受けた後、まずは弁護士が速やかに警察や検察の担当捜査官に連絡を入れ、被害者の連絡先開示の打診を行います。開示の同意が得られ次第、弁護士が直接被害者(または被害者側弁護士)に連絡を取り、加害者の謝罪の意を伝えるとともに、書面や対面での交渉を開始します。示談金の額や条件の合意に至れば、弁護士が厳密な示談書を作成して双方の署名捺印を取り交わし、速やかにその写しを検察庁や裁判所に提出して、釈放や不起訴処分を求める意見書を提出するという流れで進みます。 示談交渉ページに戻るQ&A 相続26.06.16Q&A相続親が亡くなり、相続が始まりました。まず何から手を付ければいいですか?まずは亡くなった方(被相続人)の「遺言書」があるかどうかを確認します。 遺言書がない場合は、誰が相続人になるかを確定するために、亡くなった方の出生から死亡までのすべての戸籍謄本を集める必要があります。 並行して、預貯金や不動産、借金などの「相続財産」がどれだけあるかを漏れなく調査する作業を進めます。相続人の中に、長年連絡が取れず行方不明の人がいます。その人を除いて話し合いを進めてもいいですか?法律上、相続人全員が参加していない「遺産分割協議」はすべて無効になります。 そのため、行方不明の相続人を除外して遺産を分けることは絶対にできません。 対策として、まずは戸籍の附票などから現住所を調査し、それでも見つからない場合は、裁判所に「不在者財産管理人」の選任を申し立て、その管理人を交えて話し合いを行う必要があります。亡くなった親に多額の借金があることが分かりました。相続を拒否することはできますか?はい、「相続放棄(そうぞくほうき)」という手続きを行えば、借金などのマイナスの財産を引き継がずに済みます。 ただし、相続放棄は「自分が相続人になったことを知った時から3ヶ月以内」に、家庭裁判所へ申し立てをしなければなりません。 この期間を過ぎたり、親の預貯金を勝手に使ってしまったりすると、借金も含めてすべて相続することを認めた(単純承認)とみなされるため注意が必要です。遺言書を見つけましたが、封がされています。今すぐ開けて中身を確認してもいいですか?絶対にその場で開封してはいけません。自宅などで見つかった封印のある遺言書を勝手に開封すると、5万円以下の過料(ペナルティ)が科される場合があります。 遺言書を見つけたら、まずは家庭裁判所に「検認(けんにん)」の申し立てを行い、裁判官や他の相続人の立ち会いのもとで開封しなければなりません。 ただし、公証役場で作成された「公正証書遺言」や、法務局に保管されていた遺言書については、検認の手続きは不要です。親の介護を1人で長年続けてきました。他の兄弟より多く遺産をもらう権利はありますか?無償で親の介護や看病を行い、親の財産の維持や増加に特別な貢献をしたと認められる場合、「寄与分(きよぶん)」として遺産を多く受け取れる可能性があります。 ただし、寄与分が認められるには、単なる看病日記だけでなく、具体的な介護の記録や医師の診断書など客観的な証拠が必要です。 兄弟間の話し合いで合意が得られない場合は、家庭裁判所の調停などで主張していくことになります。遺言書に「すべての財産を愛人に譲る」と書かれていました。残された家族は1円ももらえないのですか?いいえ、配偶者や子供などの法定相続人には、遺言書の内容にかかわらず、最低限受け取れる遺産の取り分「遺留分(いりゅうぶん)」が法律で保障されています。 そのため、愛人に対して「遺留分侵害額請求(いりゅうぶんしんがいがくせいきゅう)」を行うことで、お金を取り戻すことができます。 ただし、この請求権は「遺言の内容を知った時から1年以内」に行使しないと時効によって消滅してしまいます。「遺産分割協議書(いさんぶんかつきょうぎしょ)」とは何ですか?自分で作れますか?遺産分割協議書は、相続人全員で話し合って決めた「誰がどの遺産をどれだけ引き継ぐか」という合意内容をまとめた書類です。 ご自身で作成することも可能ですが、不動産の名義変更や銀行の口座解約の際に、不備があると手続きをやり直さなければならなくなります。 トラブルを避け、確実に手続きを進めるためには、実印の押印や印鑑証明書の添付に加え、内容を司法書士や弁護士などの専門家に確認してもらうのが確実です。親が亡くなる前に、特定の兄弟だけが家を建ててもらうなど多額の援助を受けていました。不公平ではないですか?生前に受けた特別な生計の援助や婚姻のための資金などは、「特別受益(とくべつじゅえき)」とみなされる可能性があります。 特別受益がある場合、その金額を一度遺産全体の額に「持ち戻し」て計算し直すため、生前にお金をもらっていた兄弟の相続分はその分減額されます。 これにより、相続人間での実質的な公平を図ることができますが、当時の送金記録や通帳の控えなどの証拠が必要です。相続税はどれくらいの財産があると発生しますか?全員が払う必要がありますか?相続税には「3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)」という基礎控除額があります。 例えば、相続人が子供2人の場合、基礎控除額は4,200万円となるため、遺産の総額がこれ以下であれば相続税は一切かからず、申告の必要もありません。 実際に相続税の課税対象となるケースは全体の1割程度ですが、小規模宅地等の特例などを利用する場合は、税金が出なくても申告が必要になることがあります。相続の手続きを弁護士に依頼するメリットは何ですか?最大のメリットは、相続人同士の感情的な対立や話し合いのストレスから解放され、公平かつ法的に正しい解決を目指せる点です。 親族間での遺産争いは一度こじれると長期化しやすいですが、弁護士が代理人として交渉することで、スムーズに調停や遺産分割をまとめることができます。 また、複雑な戸籍集めや財産調査などの面倒な事務手続きをすべて丸投げできる点も大きなメリットです。 相続ページに戻るQ&A 債務整理26.06.16Q&A債務整理借金の返済が厳しくなってきました。弁護士に相談するタイミングはいつが良いですか?「他社から借り入れて別の会社の返済に充てている(自転車操業)」状態になったら、すぐに相談してください。 借金のために新たな借金を重ねるようになると、自力での解決は極めて困難になります。 早い段階でご相談いただくほど、自己破産を避け、利息をカットして毎月の返済額を減らす「任意整理」などの柔軟な選択肢を取りやすくなります。弁護士費用を支払う余裕がないのですが、それでも債務整理の依頼は可能ですか?はい、手元にお金がない状態でも問題ありません。 多くの法律事務所では、借金問題の初回相談を無料に設定しており、弁護士費用の分割払い(月々無理のない範囲での支払い)にも柔軟に対応しています。 また、弁護士に依頼した瞬間からこれまでの借金返済が一時的にストップするため、その間に費用を積み立てることが可能です。「任意整理(にんいせいり)」とはどのような手続きですか?弁護士が裁判所を通さずに、各貸金業者やクレジットカード会社と直接交渉する手続きです。 今後の「将来利息」を原則としてすべてカットしてもらい、残った元金だけを3年〜5年(36回〜60回払い)かけて毎月分割で返済していく合意を目指します。 特定の借金(保証人がついているものや、車のローンなど)を整理対象から外せるため、周囲への影響を最小限に抑えられます。「個人再生(こじんさいせい)」をすると、借金はどれくらい減りますか?裁判所に申し立てを行い、住宅などの資産を維持したまま、借金総額を原則として「5分の1(または最低100万円)」まで大幅に減額してもらう手続きです。 減額された後の借金を、原則3年(最長5年)かけて分割で支払っていきます。 任意整理では返済しきれないほど借金額が大きいものの、マイホームを手放したくないという方に強く推奨される手続きです。「自己破産(じこはさん)」をすると、戸籍や住民票にその事実が載ってしまいますか?いいえ、自己破産をしても戸籍や住民票、マイナンバーカードなどに破産の事実が記載されることは一切ありません。 そのため、後から他人が戸籍等を見て破産したことを知るルートは存在しません。 ただし、国の機関紙である「官報」には氏名や住所が掲載されますが、一般の人が官報を日常的にチェックすることはまずありません。債務整理をすると、現在使っているクレジットカードやスマホはどうなりますか?手続きの対象にしたカードだけでなく、信用情報に事故情報が載る(ブラックリスト)ため、全てのカードが順次強制解約となり、新規作成もできなくなります。 スマホの本体代金を分割払いにしている場合は、その残債も借金扱いとなるため一括請求されたり回線が止まるリスクがあります。 ただし、本体代金を払い終えている場合や、毎月の通信料自体を遅れずに支払っていれば、スマホ自体はそのまま使い続けることが可能です。20年以上前の古い借金について、突然督促状が届きました。払わなければいけませんか?安易に相手方に連絡をしたり、一部だけでも支払ったりしてはいけません。最後の返済から5年以上が経過している場合、時効を迎えている可能性があります。 ただし、放置しているだけでは時効は成立せず、弁護士を通じて「消滅時効の援用(えんよう)」という法的手続きの書面を送る必要があります。 一度でも「払います」と言ってしまうと、時効が中断(更新)して請求が認められてしまうため、動く前に必ず弁護士にご相談ください。夫(妻)に内緒で作った借金です。債務整理をすると配偶者がブラックリストに載りますか?いいえ、配偶者がブラックリストに載ることはありません。 信用情報は個人の名義ごとに管理されているため、ご自身の債務整理が原因で、家族のカードが止まったりローンが組めなくなったりすることはありません。 ただし、借金の「保証人」に配偶者や家族を指定している場合は、手続きを開始すると保証人に対して一括請求が行くため、内緒に進めることは困難になります。ギャンブルや浪費が原因の借金でも、自己破産で免除してもらえますか?法律上、ギャンブルや過度な浪費は「免責不許可事由(めんせきふきょかじゆう)」とされており、原則として借金は免除されないと規定されています。 しかし、実際には、本人が深く反省し、弁護士が裁判所に真摯に状況を説明することで、裁判官の裁量によって免除が認められるケース(裁量免責)がほとんどです。 「原因が悪いから破産できない」と諦めず、まずは実情を弁護士にお話しください。奨学金の返済が苦しいです。奨学金も債務整理の対象にできますか?はい、奨学金も法律上は「借金」の扱いとなるため、任意整理、個人再生、自己破産すべての対象に指定できます。 ただし、奨学金の多くには親や親族が「連帯保証人・保証人」として設定されています。 ご本人が債務整理を行うと、国や機構は保証人に対して残額を一括請求するため、事前に家族としっかりと話し合いを進めるか、保証人に影響が出ない解決策を弁護士と練る必要があります。 債務整理ページに戻る Page 3 of 5«12345»