債務不履行
債務不履行
契約関係がある一方が正当な理由も無く契約を内容を遂行せず、それによって損害を生じた場合その損害の賠償を請求することができます。
債務不履行の種類
履行遅滞
債務(※1)の履行(※2)が可能であるのに、定められた履行期(約束した期限)までに履行しない状態のことをいい、これによって損害を被った場合は債権者((※3)は債務者に対し損害賠償請求することが可能となります。
例えば、AさんはBさんから今月末までに返済する約束でお金を借りましたがAさんは翌月になっても返済がされていない場合は履行遅滞となります。
Aさんの返済が遅れたせいでBさんは自身の支払も遅れてしまい遅延損害金を取られてしまいました。この場合生じた遅延損害金はAさんに請求することが可能です。
- 1.相手方に金銭や物などの給付(物や金銭などの引渡し)を義務付けられていること
- 例:借りた金銭の返済義務、売却した商品の引渡し義務
- 2.契約上で決めたことを実際に実行すること
- 例:借り入れた金銭を返済する、販売した商品の引渡す
- 3.相手方に金銭や物などの給付(物や金銭などの引渡し)を請求する権利を有すること
- 例:購入した商品の引渡しを請求する権利、貸したお金を返済してもらう権利
履行不能
契約時には債務の履行が可能であったが、その後発生した債務者の責に帰すべき事由(※4)により不能となること。例えばAさんの所有する一戸建て住宅をBさんが購入し売買契約を締結しましたが、その後Aさんの不注意で火災を起こしてしまい住宅は全焼してしまい、Bさんへ住宅を引き渡すことができなくなってしまった場合。
- 4.債務者の落度
- 例:売却した骨董品を購入者へ引き渡す前に壊してしまった
不完全履行
債務の履行はされたが履行された内容が瑕疵、数量の不足などにより完全ではない状態を不完全履行といいます。不完全履行は追完が可能である場合には履行遅滞、追完が不可能な場合は履行不能に分類されます。例えば、Aさんは卵を20パックをBさんから仕入れことになっていましたが、納品された卵のうち5パック中の卵が割れていました。この場合15パックの引渡しは履行されましたが、残りの5パックは破損した物が混じっていたので不完全な状態で納品されたので不完全履行となります。ただし破損した5パックを遅れて追完し最終的には20パック完全な状態で納品できた場合は履行期限後に履行が完了したことになるので履行遅滞に分類されます。また納品する卵が限定の物で同じ物を用意することが不可能である場合には履行不能に分類されます。
どちらのケースも債務者の責に帰すべき事由によって債権者が損害を被った場合には、その損害を債務者に対して請求することができます。