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ご相談の内容

亡くなったお父様の遺産相続に関するご相談でした。お父様の死後、長男が「父が数年前に書いた」とする自筆証書遺言を提示。そこには「長男に全財産を相続させる」とありましたが、作成された日付は、お父様の認知症が進行し、要介護認定を受けていた時期でした。
相談者様(二男)は「当時、父は複雑な遺言を書けるような判断能力はなかったはずだ」と強い不信感を抱き、遺言の有効性を争うために来所されました。

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弁護士による解決策

まず、お父様が通院していた病院のカルテや、介護保険の認定調査票、ケアマネージャーの面談記録をすべて取り寄せました。精査した結果、遺言書作成日付近でお父様の長谷川式簡易知能評価スケールの点数が著しく低く、時間の感覚や人物の認識に支障が出ていた事実を立証しました。
この証拠をもとに、長男側に対して「遺言無効確認訴訟」を提起する準備があることを通知。裁判になれば遺言が無効とされる可能性が高いことを客観的な医学データと共に示し、泥沼の裁判を避けるための「遺言書の内容を白紙に戻した上での再協議」を提案しました。

解決の結果

弁護士による粘り強い交渉の結果、以下の内容で和解が成立しました。

  • 提示された遺言書は実質的に無効であると双方が認め、協議をやり直す
  • 不動産、預貯金を含めた全遺産を、法定相続分である1:1で分割する
  • 長男が既に一部使い込んでいた葬儀費用等の清算を透明化する
  • 兄弟間の信頼関係をこれ以上損なわないよう、清算条項を設けた正式な協議書を作成

裁判になれば数年かかる可能性もありましたが、弁護士が医学的証拠を揃えて早期に交渉したことで、わずか5ヶ月で公平な遺産分割を完了させることができました。

弁護士

担当弁護士からのコメント

「遺言書があるから絶対だ」と諦めてしまう方は多いですが、認知症などによって「遺言能力」が欠けている状態で書かれた遺言は、法的に無効となります。ただし、単に「ボケていた」と言うだけでは不十分で、カルテや介護記録などの客観的な証拠を集め、当時の判断能力を具体的に否定しなければなりません。不自然な遺言書に悩まされている場合は、当時の状況を正確に分析できる専門家に一刻も早く相談し、証拠の散逸を防ぐことが重要です。

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