?ご相談の内容長年、駅前の雑居ビルで飲食店を経営されていたテナント様からのご相談でした。ビルオーナーから「老朽化による建て替えのため、半年後に退去してほしい」との通知が届き、提示された立退料は、実費程度の引越費用と数ヶ月分の賃料のみでした。 相談者様は「この金額では新しい場所で内装工事もできず、廃業せざるを得ない」と途方に暮れ、正当な補償を求めて来所されました。 💡弁護士による解決策弁護士は、オーナー側が主張する「ビルの老朽化」が、直ちに無償で立ち退かせるほどの「正当事由」には当たらないことを指摘しました。建物が倒壊の危険があるほど深刻な状況でない限り、借主の営業権は強く保護されます。 その上で、新たな店舗の仲介手数料、内装造作費用、移転に伴う休業補償、および現店舗で得られていた利益(営業損失)を法的な基準に基づき精緻に算出。当初提示された金額がいかに不当であるかを論理的に示し、裁判になった場合の「正当事由の補完としての立退料」の相場を引き合いに出して交渉を重ねました。 ✔解決の結果粘り強い交渉の結果、以下の通り解決しました。立退料が当初提示額の3倍(新店舗の初期費用と1年分の利益相当額)に増額された移転先が見つかるまでの間、最大1年間の入居継続を確保現店舗の内装解体費用はオーナー側の負担とし、相談者様の手出しをゼロにした円満な合意解約を締結し、新天地での再出発に向けた十分な資金を確保できた法的な「正当事由」と「営業補償」の考え方をベースに交渉したことで、オーナー側も一方的な要求の非を認め、ビジネスとして納得のいく補償額を勝ち取ることができました。弁護士担当弁護士からのコメント建物の老朽化や再開発による立ち退き要求は、近年非常に増えています。しかし、オーナー側の都合だけで借主を追い出すことはできません。立退料は単なる「お見舞金」ではなく、借主がこれまでの場所で培ってきた「営業権」や「居住権」を買い取る性質のものです。特に店舗やオフィスの場合は、移転による顧客離れや内装費用の損失を正しく計算に含めるべきです。相手の提示した金額に疑問を感じたら、判を押す前に必ず専門家の査定を受けてください。交渉次第で、結果は大きく変わります。