Q&A債権回収取引先が売掛金を支払ってくれません。まず何をすべきですか?まずは電話やメール、訪問などで支払いを促し、相手方の状況(単なる失念か、資金繰りの悪化か)を確認します。 単なる失念であればその場で入金日を約束させますが、応じない場合は、未払いの事実と支払期限を明確にした「催告書」を内容証明郵便で送付するのが最初の本格的なステップとなります。内容証明郵便で督促状を送ることに、どのような法的な効果がありますか?内容証明郵便自体に強制的に財産を差し押さえるような法的効力はありません。 しかし、「いつ、どのような内容の督促を行ったか」が日本郵便によって公的に証明されるため、後の裁判で重要な証拠になります。 また、弁護士名義で送ることで相手方に強い心理的プレッシャーを与え、任意での支払いを促す効果が期待できます。売掛金や貸付金に「時効」はありますか?放っておくと請求できなくなりますか?はい、債権には時効があります。現在の民法では原則として「権利を行使できると知った時から5年間」で時効によって消滅します。 時効が迫っている場合は、内容証明郵便による催告(6ヶ月間の時効完成猶予)や、裁判所への法的手続き(時効の更新)を行うことで、時効のカウントダウンを止める必要があります。裁判(訴訟)を起こすメリットとデメリットを教えてください。メリットは、判決を得ることで相手方の財産を強制的に差し押さえる「強制執行」が可能になる点です。 デメリットは、解決までに数ヶ月から1年以上の時間がかかること、および弁護士費用や裁判費用などのコストが発生する点です。 そのため、まずは費用や時間を抑えられる調停や公正証書の作成、あるいは「支払督促」の手続きを検討することもあります。「支払督促(しはいとくそく)」とはどのような手続きですか?裁判と何が違いますか?支払督促は、裁判所に行かずに書類審査だけで相手方に支払いを命じてもらう簡易的な手続きです。 通常の裁判に比べて費用が安く、手続きも迅速に進むという大きなメリットがあります。 ただし、相手方から「異議申し立て」がなされると、自動的に通常の裁判(訴訟)へ移行してしまうため、相手方が請求内容を争う姿勢を見せている場合には不向きです。相手方の財産を勝手に差し押さえたり、オフィスから備品を持ち帰ったりしてもいいですか?絶対にやってはいけません。法律の手続きを経ずに実力で行使することは「自力救済の禁止」として法律で禁じられています。 勝手に物を持ち帰ると、窃盗罪や建造物侵入罪などの刑事罰に問われたり、損害賠償請求をされたりする逆リスクが生じます。 差し押さえは必ず裁判所の判決や、強制執行認諾条項付きの公正証書に基づき、法的手続きに従って行う必要があります。相手方が倒産(破産)しそうな場合、急いで回収する方法はありますか?相手方が破産手続きを開始してしまうと、個別の回収は原則禁止されます。 その前段階であれば、相手方の合意を得て商品を引き揚げたり(相殺や代物弁済の合意)、他の資産に「仮差押え」を申し立てて財産を凍結する手続きが有効です。 ただし、倒産直前の特定の債権者だけに向けた回収は、後に破産管財人から無効(否認権の行使)とされる可能性もあるため、弁護士と慎重に進める必要があります。個人間の借金(借用書なし)でも弁護士に依頼して回収できますか?借用書がなくても、LINEやメールのやり取り、銀行の振込履歴などで「お金を貸した事実」と「返済の約束」が証明できれば回収の可能性はあります。 ただし、客観的な証拠が一切ない場合は、相手方が「もらったお金だ(贈与)」と言い張った際に対抗が難しくなります。 弁護士は、まず相手方に借金を認めさせるための書面作成や交渉からスタートします。 債権回収ページに戻る